乙野花子の生活 in欧州

会社員。BRCA1陽性です。

全摘や化学療法を心配しないでという個人的な意見

最近、標準治療以外の治療に関する記事をいろいろと目にするので、ちょっと思うことを。

あの、これはもしかしたら自分がもともと小さい胸だったことや、温存と放射線治療の影響で、対側ととてもバランスが悪くなってしまっていたという個人的体験が大きく影響しているのかもしれませんが・・・。

全摘=おっぱいがなくなっちゃう(再建という手段を思い出して!)、とそれだけで全摘をためらったり、全摘しなかったりして悪い影響がでるようなことがなるべく減ってほしいと思っています。

再建という手段があって、本当にきれいに作ってもらえるので。同時再建すれば、おっぱいがなくなったというのを見なくても済むし、二次再建だと、じっくり形や素材(シリコンか、自家組織か)も検討できる。

私の場合、全摘で取ったのは左右各100gほどらしいのですが、入れていただいたシリコンの表示を見ますと185gと・・・倍(笑)。これはまぁ、この国らしく?なのか、その整形外科の先生がそうだったからなのかわかりませんが、手術前の診察では「今あるものより大きくはなりませんよ」と聞いてもいないのになぜか念押しされていたのに、手術中、2サイズを試して「大きいほうが喜ぶんじゃないの」ということで(担当の外科医の先生に後から聞いた)大きいほうを入れてくださったとのこと。手術中に試着じゃないんだからシリコンを試すというのもおかしかったのですが、出来上がりの形、ボリューム、縫合痕もほんとうに綺麗です。今は昔のブラに収まりきらないので、妊娠中に使っていたブラを使ってます。(捨てなくてよかった!)

あと、私は左は温存だったので、乳輪に沿って切開の痕があるのと放射線治療の影響があって再建に関しては要検討項目なのですが、倍のシリコンが入ってるくらいなので、こういった影響があっても場合によっては大丈夫。

本当に、おっぱいがなくなる、という恐怖や不安だけで(もちろん当然の不安なのだけど)治療のタイミングを逃したりするようなことは絶対におきてほしくない。

もちろん、病気の告知をされて、あれよあれよという間に手術や治療の予定がどんどんたっていって、もうなんだか押し流されるように時が進んでいくというのもあると思うのですが、手術ができるって、この病気の場合本当に最強の手段だと思うのです。だから、全摘を勧められる状況ならぜひ前向きに考えてほしいと思う。

補助療法にしても同じ思いです。化学療法、放射線治療、ホルモン療法。副作用を調べだしたら本当にきりがなくて、もちろんこういう治療を一度もやったことがない人にとっては恐怖でしかないかもしれません。でも、世界の研究、統計、エビデンスを通して標準とされているものの力はやはり強いと思うのです。

私は吐き気という点ではかなり強力なACもやったけど、影響は数日後までだけで、4日後には普通に出勤していました。今のTCは倦怠感やだるさがだらだら続く感じなので1週間くらいゆっくりしていますが、2週目からは普通になります。でも治療は3か月とかそういう期間のみだし、今は本当に吐き気止めが強力になってきていて、ずーっと吐いているとか、そういう昔のテレビのワンシーンみたいなことはないのですよ。(というか、コルチゾンを処方されたりしてむしろ太ります・・・笑)

乗り越えられると思うのです。的確な治療方法を提示されたら、あとはそれをとりあえず機械的にこなして全部終える。それに尽きると思います。

11年前、最初にトリネガが発見されたとき、主治医が一度、「(あなたの国では西洋医学ではなく漢方とかの)伝統的な方法で治療をするの?」と聞いてきたことがありました。もちろんそんなことはないのだけれど(でもここだけの話、11年前は日本の治療はここより数年くらいちょっと後を歩いていた気がします)、たぶん先生は私がそういう方法を選ぶことをとても心配していたのだと思います。私個人としては今ある標準治療以外を選ぶというのは、高齢の患者さんでない限り、リスクは高いのではないかなと思います。もちろん、自分もこの食事療法などで治るケースに当てはまるかもしれない、という期待は抱いてしまうものなんでしょうけれど・・・。

脱毛が本当に嫌で、2度目の治療でも最後までじたばたした私が言うのは説得力ないと思うのだけど、脱毛も本当に数か月で、また髪の毛は戻ってくるんですよね。

私も嫌だったけど、やらないと後で後悔すると思って、Picc装着の手術も一日前倒しでやってもらい、すぐに化学療法を開始しました。早く始めれば、早く終わるし。

何だろう、地道にやれることを、最後までしっかりやる。

これが最善なのだろうなと思っています。