乙野花子の生活 in欧州

会社員。BRCA1陽性です。

「若い患者に子供を」という希望

今日は治療後の妊娠出産に関するガイドラインが日本で発表されたとニュースで見ました。

「若いがん患者に子供を」 生殖能力温存で日本癌治療学会が指針公表へ(1/2ページ) - 産経ニュース

ここでは卵子の凍結などに触れられていますが、こういうのって、これから手術して、補助療法が始まって、という患者からしたら将来普通に出産したりすることが選択肢から排除されたわけではないんだよ、ということになるわけで、本当に力強いと思います。あと、以前より治る病気になってきているからなのかな、ともしみじみ思いました。

私も前回はまだ30代前半で子供もいなかったのだけど、今お世話になっているT先生が、「ちょうど治療後の妊娠に関しての学会があったから聞きに行った」と言ってくれたのをいまだに覚えています。その時はデカペプティルという生理を一時的に止めて卵巣機能を保護する注射を打つことにするという点と、卵子の凍結についても話を受けました。ただ、最初の治療までにほぼ時間がなく、採卵するタイミングは実際にはなかったのですが。でも、注射のおかげか生理は本当にあっという間に戻ってきました。

だから、なんというか、これから治療する人でもどんどん希望を言ってやれることはどんどんやっちゃってほしいなと思います。治療優先、というのは第一だけど、そこに遠慮を挟むことはないのかなと。命が助かるのが先、というのはもちろんかもだけれど、日本だとたまに、命が助かるだけでもありがたいと思え的になることってないですかね。子供を持つだなんて、病気してるんだからあきらめなさい、みたいな。

その辺の、誰にしているのだかわからない遠慮はこの国にはまずないので(こういう気質の人たちばかりなので、普段の生活では嫌なことのほうが多いのですが、ことこの病気に関しては本当に自由が言えていいのです)先生も子供を持つことに対しては本当に親身になってくれるし、リミットは設けられたにせよ不妊治療も行えたのかもしれないと思っています。

患者さんが若い場合、逆にわがままになって希望を訴える権利があるよね、と私は思ってしまいます。だって年上の患者さん達はそこまでの人生にたどり着いているある意味運のいい人たちなのだもの。それに、今は将来の希望をあきらめなくてもいい医療の環境が整いつつある。だから、どんどんわがまま言って、医療に発達の後押しをしてもらえたら…と思っています。

ところで、患者の医療費負担と治療の種類についてちょっと思ったことがあります。

これについてはまた次の機会に。